エデュケーションプロジェクト

本のある場所

おすすめの本とその理由

◇『としょかんライオン』ミシェル・ヌードセン 作/ケビン・ホークス 絵/福本友美子 訳 岩崎書店

あるひ、としょかんに ライオンが入ってきます。はじめは図書館のルールを守れなかったライオンもだんだん図書館のお手伝いをするようになり、次第に図書館になくてはならない存在になっていきます。ところが、ある日ある事件をきっかけに図書館のルールをライオンが破ってしまうのですが・・・。
図書館へ行くとライオンがいるなんてことがあったら!とわくわくしてしまうのと同時に図書館とは万人に開かれている場所であるのだということを教えてくれる一冊です。

◇『日本の最も美しい図書館』(株)エクスナレッジ

旅先で図書館に立ち寄ることがよくあります。偶然にもLibrary of the yearを受賞している図書館に出会ったりすることも。いつか行きたい図書館を探しながら旅行先を決めてみるのもおすすめです。

本や絵本を通じ感じてほしいこと

主人と「海が好きか」「山が好きか」という話をしたことがあり、海の近くで育った彼は断然「海がいい」といいます。その時、特に海が好きなわけでもないし、山に癒されるわけでもない自分には世の中に癒される場所がないような気がして、なんだか寂しいような気持ちがしていました。でも、最近気が付いたのは、私はどうやら「本のある場所」が好きだということです。本棚がひとつあるだけで特別本が多い家庭で育ったわけではなかったのですが、母が時折連れて行ってくれた本屋さんや絵本を借りることができる場所に、今でもそのころの幸せな空気をさがしているのかもしれません。我が家の5歳の息子はどこに自分の居場所をみつけるのでしょうか?毎日の絵本の読み聞かせを通してそのリストの中にいつか「本のある場所」がはいるといいなと思っています。
be京都さんの小さなアートの図書室はとても居心地のいい「本のある場所」です。最近、街中の書店が閉店することも多く、子どもの読書離れがどんどん進んでいくようで不安を抱いています。でも、be京都さんのように本屋さんという形だけではない「本のある場所」が生まれることは、一方で新たな本との関わり方がうまれているということです。未来に本を残すために私たち自身が本との関わり方を考え、大切にしていきたいですね。

これから大人になるみなさんへ

大人になった今でも図書館に行くと「今日はどんな本に出会うかな?」とドキドキします。その日に出会った本の中にその時にしかないこちらの感情にぴったりと合う言葉に出会えた時に心が震えるような感じがするからです。図書館にいけば、ピカソにも清少納言にもピーターパンにも会うことができます。「本」というこんなに小さくて広い世界を手にとってみてください。手に取るだけで世界のことを知ることができるのだから、今読みたいと思って、手に取ったその本との出会いは一期一会です。その一瞬の出会いを大切にしてみませんか?

永井 知佳子

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。コラムでの絵本の紹介や絵本講座、文庫活動を通して子どもと本を結ぶ読書支援活動をしています。

Instagram @kakobook
Blog http://ameblo.jp/honnotane100-ehon

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